ログイン/新規会員登録
熱と電気の相似性が成り立つということは昔からよく知られています。この相似性を使うことにより、熱の問題をすばやく捉えることができます。本シリーズでは熱と電気の相似性というテーマで熱設計を行う上で重要なパラメータである「熱抵抗」「熱流速」「熱容量」などについて4回に分けてわかりやすく解説していきます。
熱と電気の相似性から電気回路におけるオームの法則を熱設計に適用できます。温度差を電圧に、熱流量を電流に、そして熱の流れにくさ(熱抵抗)を電気抵抗に置き換えてオームの法則で計算することができます。すなはち、温度差は熱流量に比例し、その比例定数が熱の流れにくさを表す「熱抵抗」となります。また、熱抵抗は電気回路の電気抵抗と同様に直列則、並列則、キルヒホフの法則が適用できます。熱回路網を電気回路網に置き換えてオーム法則が適用できることについて解説します。
動画はこちら
熱設計では温度ではなく熱と電気の相似性を考えて「熱抵抗」を使って計算します。温度は熱設計の結果であり、制御するのは熱の流れにくさを表す「熱抵抗」になります。つまり、温度上昇の対策を行う上で目標となるのは「熱抵抗」の値になります。この熱抵抗を目標値として使うことで、熱回路網を電気回路網と同じように計算できることや、放熱構造に直結するなど、多くのメリットがあります。今回はなぜ「熱抵抗」を使うのか、そのメリットは何かについて解説します。
熱設計を行う上で「熱抵抗」と同じように有用なパラメータとして「熱流束」があります。「熱抵抗」は対策を考えるときに使うパラメータであり、「熱流束」は熱的な厳しさを知るためのパラメータです。発熱体の放熱能力は表面積に依存するため、温度上昇は総発熱量を総面積で割った「熱流束」に比例します。「熱流束」が分かればその発熱体の温度上昇を計算することが出来ます。具体的な例を挙げて「熱流束」から発熱体の温度上昇を計算してみます。
「熱抵抗」は熱的に定常状態での計算になりますが、非定常状態、つまり時間とともに温度が上昇するような過渡応答の解析では「熱抵抗」に加えて「熱容量」を使った計算が必要になります。「熱容量」は電気回路に置き換えるとコンデンサに対応しますので、過渡的な熱計算はRとCの回路網で考えることができます。この「熱容量」は物質の体積と物性値で計算がすることができます。そして「熱容量」が大きいほど熱時定数が大きくなり、温度上昇などに時間がかかることになります。今回はこの「熱容量」について考えてみます。
製品のお問い合わせはこちら
お客様の課題に合わせてご提案します。お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
お問い合わせフォーム
Select Your Region