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電子機器の熱は最後は空気に逃げるので、必ず固体から空気への熱移動(対流)が起こります。電子機器の平均温度はほぼ対流によって決まるため、熱設計では最も重要な熱移動現象になります。ここではそのメカニズムや定量化について詳しく解説します。
熱伝導、対流、熱放射は「熱の3態」と呼ばれますが、対流は熱伝導に「流体移動による熱輸送」が加わった複合現象です。単一現象である熱伝導や熱放射とは異なった現象です。流体移動による熱輸送は風速や熱源の姿勢、形状など、条件によって大きく変わります。
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発熱体の周りの空気は温められて物体表面近傍にまとわりついています。この層(温度境界層)をできるだけ薄くすることが冷却には重要です。薄くする方法は熱源の流れ方向の長さを短くすることと風を流すことの2つになります。
対流の熱の伝わりやすさは「熱伝達率」で定量化します。熱伝達率は単純な形状であれば理論式を導くことができますが、複雑な形状に関しては実験式を用います。ここでは熱伝達率を求める方法について考察し、どうすれば熱伝達率を大きくできるか考えてみます。
自然対流は温度差によって生じた浮力を駆動源として流れが発生するため、温度が高くなるとより浮力が強くなり、風速が増して、熱が逃げやすくなります。このため非線形性を考慮した反復計算が必要になりますが、Excelを使うと簡単に計算できます。
ファンなどを使って強制的に流速を与えることで、熱伝達率を大きくできます。流速が大きくなると流れが乱れる「乱流」に移行し熱伝達率はさらに大きくなります。強制対流ではこれを考慮して状態に応じて計算式を使い分けます。
熱伝達率の計算式には無次元数が使われます。主な無次元数とその意味を知っておくことにより、さまざまな条件下の熱伝達率を容易に計算できるようになります。また冷媒に水を使う場合、その物性値は温度の影響を受けやすいので注意が必要です。
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