サーミスタのリニアライズ

サーミスタのリニアライズ

温度が広範囲の場合はサーミスタの抵抗値の変化幅が広くなりすぎて、扱いにくくなるため、サーミスタのリニアライズを行って変化幅を圧縮して使用します。 リニアライズには温度変化に対して正の傾きの出力電圧が得られる電圧モードと、負の傾きの出力電圧が得られる電流モードがあります。

R1の導出方法

前記R1の導出方法は電圧モード、電流モードのいずれも使用温度での出力電圧から求められますが、ここでは電圧モード(直列接続)で説明します。 条件は以下の通りです。
・入力電圧:Vin
・直列抵抗:R1
・サーミスタの電気抵抗:RT
出力電圧Voutは次式から求められます。

使用温度範囲に適したR1を求めます。 使用下限温度、中間温度、上限温度の際のサーミスタの抵抗値と出力電圧を以下とします。
・下限温度 RTL, VoutL
・中間温度 RTM, VoutM
・上限温度 RTH, VoutH
各温度における出力電圧を求めます。







リニアライズに適しているのは VoutM - VoutL = VoutH - VoutM の時なので、
2 VoutM = VoutH + VoutL となります。この式に各温度の出力電圧の式を代入し、
R1を求めると以下の式になります。

NTCサーミスタ リニアライズ例

条件
・Vin 1V
・使用温度範囲 0~100℃
・サーミスタのB定数 3800
・サーミスタの抵抗値R0 at 25℃ 22kΩ


サーミスタの抵抗-温度特性R=R0 exp {B(1/T – 1/T0)}およびT(K)=273+t℃より、0℃、50℃、100℃におけるサーミスタの抵抗値を求めると、以下のようになります。

RT0=70.637kΩ, RT50=8.207kΩ, RT100=1.698kΩ 


これらの値より、R1は6.326kΩとなります。
このR1の値からVoutのグラフをプロットすると、以下のようになります。

 

0~100℃において、リニアライズされています。
 

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