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インダクタは、「チョークコイル」や「イグニッションコイル」などのようにインダクタの果たす機能で呼ばれたり、「チップインダクタ」のように形状で表現されたりとさまざまです。ひとつのインダクタが、登場する場面によって幾通りにも呼ばれますので混乱しがちです。 ここでは、インダクタをいろいろな切り口で紹介します。
コイルと言う言葉に一番馴染み深いのがスプリング型のインダクタでしょう。 基本的な構造はマグネットワイヤーと呼ばれる絶縁皮膜付き銅線をバネのように、らせん状に巻いたものですが、プラスチックのボビン上に巻いたものや、成形したフェライト鉄芯に直接巻きつけたものなどがあります。
巻線タイプのインダクタでも、小さく薄くしたいという希望に応える形で、さまざまな巻線構造のものが開発されています。円形ではなく角形のマグネットワイヤーを使用した物もあります。こうすることで、巻線部に隙間がなくなります。同じ巻数を施した場合銅線の断面積が増えるため、直流抵抗が小さくなって銅損が少なくなります。これによって効率の良いインダクタを作ることが可能になりました。
同じ理由でマグネットワイヤーの代わりに銅板を使ったものなども古くから実用化されています。
エネルギー効率よりも、小型化や高周波特性が重要視される高周波回路用インダクタでは、「巻く」という発想を捨てて、導体金属をシートや基板の上に印刷したインダクタが登場しました。 フェライトやセラミックス材料を薄いシート状に延ばしたグリーンシートに、数分の 1 ターンのインダクタを印刷します。これを何層も重ね合わせてインダクタが完成します。グリーンシートの薄層化や微細印刷技術、層間をビアで接続する技術の進歩によって、小型で高インダクタンスなインダクタができるようになりました。
積層インダクタがスクリーン印刷によって巻線を印刷するのに対し、スパッタリングや蒸着技術を使って、印刷よりも更に薄い金属膜でコイルパターンを形成したものが薄膜インダクタと呼ばれます。半導体製造技術の応用によって、小型で高精度なインダクタが提供されています。
フローはんだ実装をするためのリード線形インダクタと、面実装形(チップインダクタ)があります。
低周波領域を得意とする材料であり、商用周波数帯( 50/60 Hz)において、電源トランス、チョークコイルなどに多く使われています。鉄に数%のシリコンを含有すると透磁率が上がり , 経年変化も少なくすることができます。これを材料として冷間圧延し、厚さ 0.05 ~ 0.5 mm程度の板状にして、E型I型に打ち抜き、数10枚を重ね合わせて使用します。 鉄心表面は、うず電流による損失を抑えるために、1枚1枚絶縁されています。高周波ほど厚さの薄いものを使用します。
鉄にニッケルを加えて高透磁率材料としたものがパーマロイと呼ばれています。ニッケルの含有量を変えることにより、初透磁率や飽和磁束密度が変わってくるので、低周波信号用のトランス、チョークコイルなどに使われます。
モリブデンを主成分とした細かい粒子の粉を圧縮成形したもので、ケイ素鋼鈑に比べて磁気抵抗が高くなるため、うず電流による損失を少なくすることができます。電源ラインフィルタ、スイッチング電源の高周波平滑コイルなどに使用されています。
高周波用高透磁率材料として広く使われています。主成分である酸化鉄(Fe2O2)とマンガン、マグネシウム、ニッケル、亜鉛などの金属化合物を混合し、高温燒結した物です。代表的なフェライトとしては、Mn-Zn系、Ni-Zn系などがあります。
コアに磁性体を使わないインダクタを空芯インダクタと呼びます。コアが中空(空気)の物はもちろんですが、アルミナなどの非磁性体材料をコアに使用した巻線インダクタや、非磁性材料シートを積層した積層インダクタ、非磁性材料基板として利用する薄膜インダクタなども空芯インダクタです。これらは、一般に言う磁性体の鉄芯が無い(=空)という意味で、空芯インダクタと呼ばれています。
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