社長賞(社内製生産設備)
“ものづくり”現場の声に応えた生産設備の製作
~伊那谷でものづくりを続けるために~
求められる要素技術を知るために、まずは試作機に挑戦
抵抗器をはじめとするKOAのさまざまな製品をつくるにあたり、社内独自の生産設備が活躍しております。「こんな設備がほしい」「いま以上にコストダウンを図れないか」といった生産現場の人たちからの要望を受けて、それを見事に実現したのが今回の生産設備群です。
その製作に携り社長賞を受賞したのは、Oさん、Tさん、Yさんの3名。製作の経緯についてのお話を聞いていく中で、まずOさんは次のように述懐しています。
「そもそも生産現場が、必要としている設備に対しどのような機能と特性を望んでいるかということを理解しなければならない。そして品質を第一に考えることという点から何が必要かを追求していく上で、まずは自分たちで試作機をつくってみようということになったんです。実際に使われるかどうかわからないものへの取り組みでしたが、当時の役員だった辻さんから了解を得てスタートしました。『つくっても、どうせ天竜川へ捨てるんだろ』なんて冗談交じりで言われたりもしたんですけどね(笑)。そして試作機が完成するわけですが、これを原点として我々もいろいろ勉強しながら、社内各部署の用途に合わせた生産設備を複数台手がけていくことになりました。」
絶対にあきらめないわずかな可能性を信じて 少数精鋭、
抜群のチームワークで目的の達成へ~
同じような形をした製品でも、その機能が違うもの、大きさが違うもの、つくり方が違うもの、種類はさまざまです。一言で生産設備と言っても、製作における難易度も異なります。そのため、この仕事には多くの苦労も伴ったようです。
「もともと僕は他の部署に所属していたのですが、この仕事がスタートするにあたって今の部署に異動することになりました。最初は手探り状態で仕事を行っていくわけですがわからないこともたくさんあって、しかも納期はどんどん迫ってくる。不安や焦燥にかられる日々が続いたことを覚えています。でも、頼りになる両先輩方からサポートしていただいて、何とか乗り切ることができました。社長賞を受賞できたことについてはビックリしていますが、やっぱり苦労した甲斐あってうれしさでいっぱいです。自分を評価してくれた会社、そして両先輩に本当に感謝しています。」
実感のこもったYさんの言葉。また指導にあたったTさんも、それに同調します。
「Y君は異動してきたばかりだったにもかかわらず、本当によくがんばったと思います。寝食を忘れて夜遅くまで一生懸命取り組んでいる姿が印象的でした。それを見て僕らも刺激を受けて、『よし、やってやろう!』という気持ちがどんどん湧いてきました。Oさんを筆頭に、僕ら3人は少数精鋭(?)かどうかはわからないけれど(笑)、チームワークは抜群でしたね。もちろん、いまでもそれは続いていますが。」
社長賞受賞を機に、さらなる成長を目指して
そしてTさんは、社長賞と自身の仕事について率直なコメントを寄せてくれています。
「かっこうつけて言うわけではありませんが、社長賞をねらって仕事をしていたわけではなかったので、受賞についてはまったくの予想外でした。僕にとっては、生産現場で実際に使ってくれる人たちからの『とても使いやすいね』といった言葉が最高の評価でしたから。でも実際に表彰式で壇上に呼ばれた時には、うれしさが身体中に伝わってきて感激しましたね。それと、社長賞をはじめとしたKOAのグループ表彰は、誰にでも受賞のチャンスがあって努力や成果をしっかりと評価してもらえる制度だということを改めて認識しました。というのも、僕らの仕事は社内の人たちを対象としたものなので、売上結果が表れる社外向けの仕事と比較すると、一見地味な部分もあったと思うんですね。この結果によって、同じような立場の人たちにとっても、今後の励みになるのではないでしょうか。」
現在各部署で稼働している社内製作した設備は、その高度な技術力とコストパフォーマンス、また社内だからこそ可能なKOA独自の"ものづくり"を目指して、現状に甘んじることなく、Oさんたちはさらなる改善と進化を目指しています。
「みんなと同様に僕も社長賞受賞についてはうれしかったし、本当に感謝しています。名前を呼ばれた時には、ふるえが止まりませんでしたから(笑)。でもこの結果によって周囲の人たちの期待はさらに高くなってくるでしょうし、時代の変化や利用者のニーズに応じた改善と進化がますます求められてきます。これからもまわりの人たちとの信頼関係を大切にして感謝の気持ちを忘れずに、KOAのエンジニアだからできる仕事、KOAのエンジニアにしかできない仕事を実現して、もっと成長していきたいですね。」