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LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics:低温同時焼成セラミックス)の略称であり、アルミナにガラス系材料を加えることにより、従来のセラミックス基板より“低温”での焼成を行い、低抵抗導体とセラミックス基材を一体形成したセラミックス多層基板のことです。 アルミナとガラス系材料を組み合わせることにより、1000℃以下での焼成が可能となり、低抵抗導体である銀(Ag:融点=960℃)を配線導体として使用することができます。 これにより、導体抵抗成分によるロスが少ない電気的特性に優れた多層基板が可能となり、高周波特性に有利となります。 また、基材がセラミックスであるため、耐熱性・耐湿性に優れ、アウトガスの発生がないなどの特長があります。加えて、熱膨張係数が比較的シリコンに近いため、ベアチップ実装に有利な基板であり、キャビティ内に実装することによる低背化も可能となります。 これらの特長から、高周波モジュール、半導体パッケージ用の基板、耐環境性が要求される用途としての基板など広く利用されています。
LTCC基板と各種配線基板を比較します。
項目
LTCC基板
HTCC基板
FR-4
高周波特性
○
耐熱性/耐湿性
◎
耐衝撃性
ベアチップ実装
キャビティ形成
多層積層
受動素子内層形成
LTCC基板は、セラミックス材料の特長である「高周波特性が良い」「温度湿度に対する信頼性に優れる」の他に、回路素子内層化やベアチップ実装などが容易にできるため、高密度実装基板の実現や、モジュールの小型化に有利であることがわかります。
下図はLTCC基板を使ったモジュールの例です。 各層に内層配線を形成し、ビアで層間を接続します。セラミック層を挟んで高周波向けのインダクタ・コンデンサ・ストリップライン等を基板内に形成することが可能です。
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