厚膜印刷技術の紹介

KOAの基盤技術のひとつである厚膜印刷技術について概要を紹介いたします。

版式による印刷方式の分類

版を用いた印刷には様々なものがありますが、電子部品の厚膜印刷は主にスクリーンを用いた孔版印刷が採用されています。

種類 凸版印刷 平版印刷 凹版印刷 孔版印刷
印刷方式 活版印刷
フレキソ印刷
オフセット印刷 グラビア印刷 スクリーン印刷
概略図
反転

反転

反転

正対
概要 版の凸部にインキをつけて紙などに転写する方法 版面に水と撥水性油性インキを交互に塗布する方法 版面のくぼみにインキを供給して転写し、くぼみの深さで濃淡を表現 紗(メッシュ)上にネガパターンを形成した版を用いてペーストを印刷する方法
主な特長 低コスト 鮮明、連続印刷 大量印刷 膜厚の安定性
解像度 8μm 4μm 25μm 30μm
主な用途 新聞,ダンボール 新聞,広告,ポスター,カレンダー フィルム印刷,写真集,紙幣 回路配線,シルクスクリーン印刷

スクリーン印刷の特長

スクリーン印刷の特長を以下に挙げます。

材料効率
  • アディティブプロセスにより材料ロスが少ない
生産性
  • 印刷のサイクルタイムが短い
設備コスト
  • 小規模の設備構成(印刷機、乾燥機、焼成炉)
  • パターンを直接形成する方法。エッチングなどと比較して材料の排出が少ない

電子部品におけるスクリーン印刷

スクリーン印刷は「ペースト」「製版」「印刷条件」に大別され、それぞれ重要な要素があります。

スクリーン印刷の適用ペースト

スクリーン印刷が行われるペーストとしては以下があります。

導電材料
  • 電極の形成
  • 回路配線

抵抗体材料
  • 抵抗体の形成
保護材料
  • 外部との気密性を確保・湿度環境からの保護
絶縁材料
  • 電気的絶縁膜を形成
表示材料
  • 品番、定数の表示
機能材料
  • 機能性膜の形成(誘電体、磁性体、半導体素子、蛍光体など)
接着・接合材料
  • 接着剤、導電性接着剤、はんだペースト、異方性導電性ペースト

印刷⽤ペーストは主に無機系粉末、バインダー、溶剤で構成され、適切にブレンドする必要があります。

製版

スクリーン印刷に⽤いる製版は、枠、紗(メッシュ)、乳剤、コンビスクリーンなどで構成されており、開⼝部から基板へペーストを塗布します。

紗張り(張り方とバイアス角度)

製版の紗について、版離れ性、寸法精度、スキージの耐摩耗性などを考慮して、枠への張り方(直張り、コンビ張り)と紗のバイアス角度を決定します。

バイアス角度 0° バイアス角度 22.5° バイアス角度 45°

印刷条件

コンタクト印刷

製版を常に基板に密着させて印刷する方法

オフコンタクト印刷

基板と製版にギャップを設け、スキージを当てている部分のみ製版が基板に接して印刷する方法

膜厚の確保とペースト抜け性が重要であるため、厚膜印刷では主にオフコンタクト印刷が採⽤されています。
印刷を⾏う上で基板とのクリアランス、印刷圧、印刷速度、スキージ形状など様々な条件を最適化しています。

スクリーン印刷の進化(KOAの技術)

ファインパターン
  • 量産︓L/S=50/50μm
  • 開発中︓L/S=20/20μm
寸法安定性
  • パターン形状の補正
  • 膜厚の安定化
形状再現性
  • 印刷条件の最適化により連続印刷におけるばらつきを低減

KOAでは永年培った厚膜印刷技術に磨きをかけ、⾼レベルの厚膜印刷技術でエレクトロニクスのイノベーションを⽀えています。

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