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機器の高精度・高信頼性に寄与するため、抵抗値、抵抗温度係数(T.C.R.)が高精度で、かつ長期安定性に優れる抵抗器の用途を紹介します。
オペアンプを用いた反転増幅回路および非反転増幅回路を下図に示します。増幅利得はR1とR2の比で決まります。 必要な利得を無調整で達成するにはR1、R2に抵抗値許容差や抵抗温度係数の小さな抵抗器を用いることが必要であり、金属皮膜抵抗器RN73R RN73Hや高信頼性厚膜チップ抵抗器RS73が適しています。 また、あらかじめ2つの抵抗器をペアにして同一チップに組み込んだ複合抵抗器もあります。2つの抵抗器を同時に作り込むため、優れた相対精度と相対温度係数を発揮します。CNN2Aの場合、内蔵された2つの抵抗器各々の温度係数は±25x10-6/Kですが相対では5x10-6/K以下となります。また、KPCシリーズはCNN2Aのように2素子を内蔵したものからさらに多数の抵抗器をワンパッケージ化したものもあり、相対精度の向上と共に高密度実装が可能となっています。
抵抗器の雑音には「熱雑音」と「電流雑音」があります。
熱雑音は抵抗値、絶対温度、周波数帯域幅によって論理的に決まる雑音であり、抵抗器の材質には無関係です。また、単位周波数帯域あたりの実効値は非常に小さく、周波数ドメインで一様に分布するため、無線周波数の広帯域アンプではS/N劣化の主要因になりますが、オーディオ周波数程度以下の低周波領域では通常問題になりません。
これに対し電流雑音は材質に大きく依存し、周波数が低いほど大きくなる雑音です。概ねkHz以下の周波数帯域では単位周波数帯域あたりの実効値は熱雑音よりも大きくなり、数Hz以下では桁違いに増加します。このため、微小な検出信号を大きな利得で増幅する下図のような光検出回路や、心電計など、直流付近で微小電圧を扱うアプリケーションでは熱雑音よりも電流雑音がS/N劣化の主要因になります。この様な用途では電流雑音が低い金属皮膜抵抗器RN73R、RN73H、MF、RNSなどが適しています。
電圧検出や増幅回路の利得を決定する回路などでは、経時変化により抵抗値が変化することにより初期に設定した抵抗比が変動してしまうことがあります。
一般的に抵抗体にメタルグレーズや炭素皮膜で形成されている抵抗器は経時変化が大きい傾向にあります。一方、抵抗体に金属皮膜で形成されている抵抗器は経時変化が小さく、長期安定性に優れており、前記の増幅回路に適しています。最近では抵抗体にメタルグレーズを使用している抵抗器においても長期安定性に優れた抵抗器RS73が開発されています。
以上のことから、抵抗値の長期安定性が求められる用途では、RN73H、RN73R、RS73、MF、RNSなどが適しています。
抵抗器
RS73
高信頼性角形厚膜チップ抵抗器
耐硫化高信頼性角形厚膜チップ抵抗器
RN73H
角形金属皮膜チップ抵抗器(自動車用、高信頼性)
RN73R
角形金属皮膜チップ抵抗器(高信頼性)
RNS
塗装絶縁形精密級金属皮膜固定抵抗器
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