ジャンパー

ジャンパーとは

回路基板などで離れた回路などを接続する際に使用する部品をジャンパーと呼びます。ジャンパーは非常に低い抵抗値となっており、チップタイプ、リードタイプ、プレートタイプがあります。

ジャンパーを用いる目的としては以下があります。

  • 片面配線板などで異なる回路を跨いで同一回路を接続
  • 電流容量の確保
  • 回路基板のテスト用(分離、接続)
  • 製品グレード(上級機・中級機・普及機)による機能切り替え

ジャンパーは0Ωではない

ジャンパーはパターンを短絡するため非常に低い抵抗値となっており、別名ゼロオーム抵抗と呼ばれることもあります。

ただし、0Ωといってもたとえば角形チップ抵抗器のような形状の角形ジャンパーチップ抵抗器 RK73Zはその構造上、50mΩ以下の抵抗値を持っています。このため、許容電流が比較的小さく、その電流値を超えて使用することはできません。また、電流による発熱・劣化に配慮する必要があります。

一方、金属板チップジャンパー SLZ1, TLRZは抵抗値が低く、かつ熱抵抗も低いため、大電流での使用に適しています。

種別 品番 製品名 抵抗値(最大) 定格許容電流

リード付き

Z

塗装絶縁形ゼロ固定抵抗器

20mΩ

1.5~2.5A

リード付き

J-Z

絶縁形ジャンパー線

-

8~10A

リード付き

JL

ジャンパー線

-

8~10A

 角形チップ

RK73Z

角形ジャンパーチップ抵抗器

50mΩ

0.5~2A

円筒形チップ

CC

MELF形クロスコンダクタ

20mΩ

2~5A

金属板 モールド

SLZ1

大電流用チップジャンパー

0.5mΩ

44A

金属板

TLRZ

金属板チップジャンパー

0.5m / 0.2mΩ

10~50A

ジャンパーの使用例

アナログ回路、ロジック回路など代表的な使用例を以下に示します。

  • 製品バージョンの設定(ビットスイッチ)
  • 設計変更等で不要となった部品(ヒューズ、電流検出抵抗器など)の短絡
  • 回路ブロックの接続(回路解析のための回路ブロック分離用)
  • 大電流パターンのバイパス(低インピーダンス接続、ノイズ・不要輻射対策)

設計変更で不要となった部品の短絡

動作解析時の回路分離/接続

大電流用ジャンパー

電源回路などでは配線板の銅箔を厚くして電流容量を確保する場合があります。この場合、回路間を接続するジャンパーも大電流への対応が求められます。

また、微細配線が混在する配線板ではデザインルールの制約から銅箔厚を厚くできないため、大電流が流れるラインへジャンパーを実装して電流容量を向上させるケースもあります。

<ジャンパー無し>
・基板銅箔厚  35μm
・基板導体幅  1.6mm
・許容電流   <1.6A

<ジャンパー使用例>
・基板銅箔厚   35μm
・基板導体幅   1.6mm
・ジャンパー   TLRZ2B
・許容電流    <50A

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