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瞬間的に大きな電流が流れる回路での電流制限や、静電気(ESD)の印加が懸念される回路では、パルスやサージに強い抵抗器が要求されます。
ここでは便宜的に電力が大きく持続時間も比較的長い(=エネルギーが大きい)過負荷を「パルス」と称し、ESDのように電圧は高いが持続時間が短い過負荷を「サージ」と称しています。
パルスやサージに強い抵抗器とは、瞬間的に大きな電力や高い電圧を印加しても抵抗体が損傷しにくい抵抗器を指します。
面実装タイプの抵抗器では、一般的には金属皮膜チップ抵抗器よりも抵抗体皮膜が厚い厚膜チップ抵抗器(メタルグレーズ皮膜)の方がパルスに強くなります。厚膜チップ抵抗器には構造を工夫することによりさらにパルスに強くしたSG73, SG73P, SG73G, WG73があります。また、電流検出用の金属板チップ抵抗器は、抵抗体が金属板でできているため、パルスやサージに非常に強い抵抗器です。一方、リード付きタイプの抵抗器であれば、碍子の表面に抵抗体皮膜を形成した皮膜タイプの金属皮膜抵抗器や炭素皮膜抵抗器よりも、金属の抵抗線を碍子に巻き付けた巻線抵抗器(CW, CW-H, RW, BGR, BWR)の方が比較的パルスに強くなります。また、セラミックスの抵抗体を用いたソリッドタイプのセラミック抵抗器(HPC)は、非常にパルスに強い抵抗器です。
一方サージに強い抵抗器とは、ESDのように瞬間的な高電圧に対して強いことを指します。ESD耐性を保証したSG73Sが該当します。
Pulse resistance level by resistor type (Image)
スナバ回路とは、スイッチングにより発生するサージエネルギーを吸収する目的で、サージ電圧が発生する素子の両端に接続される回路です。スナバ回路には、抵抗器とコンデンサの直列回路(RCスナバ)や、RCに加えてサージ電圧の先端をクリップする為のダイオードを接続した回路などがあります。下図では丸で囲んだ部分が該当します。
例えば、スイッチング電源の二次側整流ダイオードは、スイッチングのON/OFF時に生じる急峻な電圧と電流の変化によりサージの発生源となります。このサージ電圧を吸収するためにRCスナバ回路が用いられます。特にRCスナバ回路で使用される抵抗器には耐サージ性が求められますので注意が必要です。
スナバ回路には、ノイズを吸収しつつエネルギー損失が大きくならないことが求められ、ここで使用される抵抗器には定数の最適化と共に、安全に対する配慮も必要です。 スイッチング電圧とスナバ回路の定数によっては、コンデンサや半導体が短絡した時の抵抗器の発煙、発火を抑制するために難燃性タイプの抵抗器が必要になります。
酸化金属皮膜抵抗器 MOSは、耐熱性が良いので同じ許容電力であれば小型品を使えるという利点に加え、難燃性塗装が施されているためスナバ回路の使用に適しています。
表面実装の電源回路などではチップタイプの耐サージ抵抗器SG73, SG73S, SG73G, WG73を推奨します。
パルス耐性(一般用)
高定格電力
小形酸化金属 皮膜固定抵抗器
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