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2020.03.31

WestWing「共創の場」のご紹介

2016年、KOA本社のある「KOAパインパーク」南側隣接地に、試験・研究開発拠点として「WestWing」、国内物流拠点として「SouthWing」が竣工しました。WestWingには“共創の場”という部屋を設け、お客様とKOA技術者が技術交流を通じ、信頼関係を強化しながら、イノベーションを創造する場として活用しています。
以前より技術部門では、いろいろな電子機器を購入・分解し、使用されている電子部品のトレンドを調査し、新製品の開発やKOA製品の拡販のヒントにしてきました。この活動をさらに深化させるべく、“共創の場”では自動車をまるごと一台分解し、搭載されている電子制御ユニットを調査し展示しています。2017年から2018年はハイブリッド車を、2019年からは電気自動車を分解・調査して展示しています。
自動車の電子制御ユニットを開発・設計している技術者の方々にご来社いただき、分解されたユニットを実際に見ながら詳しい解説をいただいたり、開発コンセプトや将来のトレンドなどを伺いながら、KOAがこれから提供するべき新しい価値についてお客様と活発に議論しています。“共創の場”には、開設以来32組、143名(2020年3月現在)のお客様にご来場いただきました。未来の新製品がまさにここから生まれようとしています。
また“共創の場”は、生産現場でものづくりをしている社員が、自分たちのつくった製品が実際にどのように使われているか、そして何を求められているかを知ることができる「社員の勉強の場」としても活用されています。

ハイブリッド車 分解レポート

当時は個々の電子制御ユニットを入手して調査していましたが、大きな成長が期待されていた環境対応車一台に使用されている電子部品のトレンドを理解するために、ハイブリッド車を購入し分解・調査しました。
分解したハイブリッド車には、43個の主要な電子制御ユニットに、約16,000個の電子部品が使用されていました。その中で抵抗器は約6,600個使用され、数量としては電子部品の中で最も多い約41%を占めていることが分かりました。これを基に、KOAの主力製品である厚膜チップ抵抗器が、エンジン車、ハイブリッド車、電気自動車のそれぞれ一台に平均どのくらい使用されるか独自に算出しました。そして、今後の長期需要を予測し、お客様からのご要望にタイムリーに応えることができるよう準備を進めています。
また、今後のトレンドである環境対応車や自動運転に必要な電子制御ユニットの回路と、そこで使用される抵抗器を調査した結果、電流検出用、高精度、高信頼性、耐環境性、小型大電力などの抵抗器の需要が今後も期待できると予想しています。
今後、各国の環境規制の強化や自動運転の実用化が進む中、電動化や高度な電子制御化がますます要求されます。そこで使用される抵抗器を仮説・検証し、新製品のあり方を探ることが、これからの社会が必要とする製品をお客様へタイムリーにお届けできることにつながると信じ、今後も活動を続けていきます。

連続20回出展者表彰

CEATEC実施協議会の遠藤会長から表彰される小嶋取締役(右)

CEATEC(シーテック)は、家電見本市であったエレクトロニクスショーと通信関連のCOMJAPANを統合し、2000年に総合見本市としてスタートしました。当時は液晶テレビなどの家電製品、パソコンや携帯電話などの展示が中心でしたが、主役が徐々に情報通信関連へ移り、20年の時を経た現在はIoT/CPS/Society5.0を異業種連携で実現する専門展示会に様変わりしています。KOAの出展も既存品や新製品が中心でしたが、最近ではKOAの基盤技術を応用したセンサやセンサモジュールの出展が増えてきています。
CEATECは今年、20回目の節目を迎えました。記念式典では、KOAを含む19の企業・団体が20回連続出展の表彰を受けました。市場環境の変化が激しい昨今、今回表彰された企業のうち、電子部品メーカーが14社と多く、これも日本の電子部品が高い国際競争力を維持していることを物語っているといえます。

CEATECでの主な展示品目~自動車向け製品~

自動車分野では、CASEという大きな変革期を迎えています。自動車はこれまでの「走る・曲がる・止まる」から、インターネットを介して様々なサービスと「つながる」ことにより、安全性・快適性・娯楽性・環境性を向上させることが可能となってきます。また、CASEが本格的に普及すると自動車のみならず、暮らしのあらゆる場面で相互に連携したこれまでにない多様なサービスが生まれてきます。
また、地球温暖化の原因といわれるCO2削減のため、各国では排出ガス規制が強化されており、この規制をクリアするためにハイブリッド車や電気自動車などの環境対応車の販売台数が大きく増えていくと予測されます。
今回KOAブースでは自動車向け製品のラインアップとして、環境対応車のどの部分にKOA製品を使っていただけるかを分かりやすく示すパネルをはじめ、新製品や開発中の製品を展示し、今後大きな需要が期待できる自動車市場へアピールしました。
また、自動車向け以外にもIoTに向けたセンサを展示し、お客様との共創による新たなビジネスに向けて多くの商談の機会を得ることができました。IoTが本格的に普及しつつある中で、KOA製品が採用される機会がさらに多くなっていくと感じられる展示会でした。

※CASE:Connected(つながる), Autonomous(自動運転),Shared & services(シェア&サービス), Electric(電動化)

第18回諏訪圏工業メッセに初出展しました

CEATECと同時期に長野県諏訪市で開催された第18回諏訪圏工業メッセ(2019/10/17~19)に初めて出展しました。諏訪圏工業メッセは年々知名度が向上し、諏訪地域や長野県内のみならず関東や中京圏からの出展者や来場者も増えており、地方では国内最大級の工業専門展示会に成長してきました。
本展示会は「価値ある技術の進化でグローバルに発信」をテーマに掲げ、精密・微細加工を応用した医療・環境エネルギー・航空宇宙産業などで、異業種連携の目覚ましい実績を上げています。出展企業は過去最高の425社を数え、KOAを含む新規出展企業も50社を超えています。
諏訪圏工業メッセはCEATECとは出展企業の業態が異なるため、これまで取引の無かった企業の方々の来場も多く、KOAの製品や基盤技術、様々な取組みを知ってもらうことにより、新たな連携を期待させる良い機会となりました。