株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
第97期(2024年4月1日から2025年3月31日まで)中間期の事業をご報告するにあたり、ごあいさつを申し上げます。
まず、自動車向け部品の伸び悩み、産業機器等のお客様の在庫調整の長期化、為替の影響等により、2024年度上期は経常損失となりましたことをご報告します。株主の皆様には大変なご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。
「2030ビジョン(Essential Parts of the World)」を掲げ、世界を支える必要不可欠な部品メーカーとなると宣言した私たちにとって2024年度は、ビジョン達成に向けた第1フェーズとして、『確実な成長』のための基盤づくりと位置づけた2024中期経営計画の最終年度です。
本計画に掲げる6つの重点施策のうちの1つが、未来を創造する人づくりです。キャリアビジョン研修の充実、年齢・性別・場所に関わらず挑戦が評価され働きがいにつながる人事制度の構築、社員のエンゲージメントを高める管理職向け教育、経営の最重要課題と位置づけた女性活躍推進の本格化に取り組んでまいりました。
2030年に向けた供給体制の構築については、2024年10月に富山県砺波市の工場「となみの庄」で厚膜チップ抵抗器増産体制構築が完了し、長野県上田市の工場「真田の郷」でも薄膜チップ抵抗器(角形金属皮膜チップ抵抗器)の生産が開始されました。海外では、マレーシア工場において厚膜チップ抵抗器の新工場が2025年4月に竣工します。中国でも2024年7月に新工場が竣工し、2025年10月に移管が完了します。本社が所在するパインパークには2024年8月、開発生産棟「さくらウイング」が竣工しました。桜の樹下に人が引き寄せられるように、技術者など多くの社員やお客様がここに集い、新製品・新事業・新技術が次々と花開く拠点にしてまいります。
2024中期経営計画の重点施策には、ガバナンスの新たな取り組みもあり、当社は今年より執行役員制度を導入しました。監督と執行の分離により、取締役会の経営全体を見渡す視点の確保、会社の意思決定の迅速化、現場の業務効率化等が期待されます。
当社主力の自動車市場では、2050年カーボンニュートラル実現という目標のもと、バッテリー電気自動車化の方針は緩まないものの、それ以外の環境対応車の新たな革新も進むはずです。こうした変化をKOAは正確かつ機敏に捉えながらお客様要求に高いレベルで柔軟に応えます。一方、産業機器向け等の需要は来期以降にずれ込む見通しですが、2024年度下期は固定費削減等コスト抑制にも努めながら、2024中期経営計画における基礎づくりを締めくくります。
株主の皆様におかれましては、今後も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2024年12月