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水系の社会システムづくり

地球との信頼関係の構築

KOAは、「農工一体」を創業時のビジョンにかかげ、養蚕業だけの貧しい村だった長野県伊那地方を拠点に付加価値の高い工 業を興しました。しかし、近代工業は豊かさをもたらす反面、環境を悪化させ、人々の絆を弱めるという側面があります。
KOAでは、「循環・有限・調和・豊かさ」を企業経営の基本的な価値観におき、諏訪湖から遠州灘までの天竜川水系の中で 「循環型地域社会のモデル」づくりをめざし、様々な実験を試みています。

KOAが描く「水系の社会システムづくり」

 この地球上の生きとし生けるものの命と、地球の命が長い年月をかけて育んだ物質はすべて限りあるものです。そしてこれらは、生態系 という大いなる連環のなかで命を営み、奇跡のようにかけがえのない存在だからこそ固有の輝きを放っています。
 地球に存在する生命体は3,000万種とも言われます。そのなかで最後に登場したであろう人類も、こうした生命体の一員であることに変わ りはありません。というより、地球からその一員に加えてもらえるよう、生態系の他の構成員に恥じない生き方をしなくてはいけないと思 うのです。
 人類がたどりつくべき本来の「豊かさ」とは、母なる地球に生まれる生態系の摂理に従って生きることの歓び、美しさ、安心感であると、 わたしたちはそろそろ思い出してもいいころではないでしょうか。

「循環・有限・調和・豊かさ」の時代へ

1.私たちが今立っている時代・場所

 これまでの私たち人類が歩んできた道のりは、人口爆発に伴い、時間の経 過とともにあらゆるモノを増大させる左巻きの時代でした。人類の利便性の みを追求し、資源は無限にあると考え、拡大基調のもとに地球環境を征服し つづける左巻きの思想は、これを求めた人類にももはや制御不能となり、臨 界点に達してしまっていると思います。
 今こそ、私たちの生存基盤である地球へ臨界をもたらそうとする左巻きの 思想を捨て、生命の惑星地球と共に生きる右巻きの思想へシフトすべく、意 識の変容を図らねばなりません。

2.意識変容のための4つのコンセプト

 左巻きの思想のコンセプトが、「拡大・無限・征服・利便性」であったな ら、これに対する右巻きの思想のコンセプトは、「循環・有限・調和・豊か さ」という言葉で代表される価値観ではないでしょうか。資源は有限である という前提のもとに、地球環境との調和を図るため、循環型の社会を創造し、 地球と共に生きる豊かさを求めることが、今私たちに課せられた課題だと思 うのです。
 KOAで行っているモデルづくりの実験、その舞台は、すべて右巻きの弧の 中心となるべき「循環・有限・調和・豊かさ」を基本思想においています。

3.地球あっての人類、人あっての経営

 KOAの経営は、さまざまな人とのご縁に恵まれ、お力添えをいただいてい ることの上に成り立っています。まさに人あっての経営です。ところで、そ の人、あるいは人類の存立基盤は何かといったら、地球であり、地球を生ん だ太陽系であり、さらにさかのぼれば銀河系であり、宇宙であるはずです。
 「地球あっての人類、人あっての経営」。この言葉には、私たちの存在が宇 宙がもたらした大いなる奇跡であることへの感謝と、そこから導かれる責務 の意味が込められています。

4.KOAがあずかっている5つの主体

 KOAは、誰のための会社でしょう。いいかえれば、KOAが成り立っているの は、誰のおかげでしょうか。その主体は、株主様であり、お客様・お取引様で あり、社員・家族であり、地域社会であり、地球であると、私は考えます。
 KOAは、これら5つの主体のみなさまとおつきあいさせていただくなかで、と もに学び、お互いの間に信頼関係を築いていくことを、経営のミッション(使 命)に掲げます。社内外で行われる実験の舞台を通して、感謝の気持ちを伝え ていきたいと考えています。

5.地域と地球とのおつきあいのなかで

 株主のみなさまへご提示するバランスシートのような形で、地域社会や地 球とのおつきあいの在り方を示すことはなかなか難しいことです。そこで、 私たちKOAが恵みとしてあずかっているものは何であるのか、その「恵み」 によってKOAが生み出している「実り」は何であるのかを示したのがこの図 です。感謝祭、もちろん毎日の仕事のなかで、この「恵み」と「実り」を常 に意識しながら、地域社会のみなさんや地球環境と信頼関係を築いていけた らと思います。