印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |

朝の学舎制作委員会のサイトへようこそ 
Welcome to our Web Site

再生ボタン▶をクリックしてHD動画で番組をお楽しみ下さい。ボリューム調整は画面右下にあります。

「こんにちは伊那谷」は1回3分の映像シリーズです。伊那谷各地の残したい風景、伝えたい言葉、小さなお祭りや職人さんなど、ふるさとのいまを伝えます。上伊那、下伊那を巡る「小さな旅」をお楽しみ下さい。

大鹿村鹿塩

先代から受け継いだ夢とロマン

里山を訪ねて 2014年8月21日放送

大鹿村の山塩館の当主平瀬長安さんは、この地に湧き出る塩の泉を釜で煮詰めて、美しい結晶の幻の山塩をつくりつづけています。たったひとり、手作業で行っているため一日あたりわずかな量しか採れない貴重な山塩です。
14静止画8-3-15.jpg
この塩には秘められた物語があります。大鹿村のこの地に岩塩発掘の夢を描いたのは、平瀬さんの祖先、旧徳島藩主黒部銑次郎です。黒部は1875年この地に入り、大掛りな製塩場を開き塩の製造を行いました。結局、岩塩は発掘できませんでしたが、黒部の壮大な夢とロマンは塩湯の旅館「山塩館」に今も受け継がれているのです。


14静止画8-3-17.jpg

 幻の山塩社 データ

塩の製造:平成9年から国の許可を受けて製造 
名前の由来:わずかな量しか精製できないことと、歴史を踏まえて「幻の塩」
      と呼ばれる。   
塩のつく地名:大鹿村には海満塩、伊満塩、鹿塩など塩のつく地名が多い。
       塩がつく地名の土地を掘ると塩泉が出るといわれる。 
なぜ山から:様々な説があるが、謎に包まれている。

明治の中期より、地元民によって製塩されてきた山の塩は明治維新、そして製塩事業法の制定により明治40年代より平成に至るまで、地元住民の大切な調味料である山塩は製塩する事を禁じられてしまいました。
その後、平成9年に規制緩和が実施され、製塩の認可を受けた当館の4代目が、ご先祖様の製塩をしていた場所、昔ながらの薪炊きにこだわった塩づくりを再開。
それ以来、山塩館では毎日のように(一回に精製される量は少量なのですが)山塩作りに励んでいます。                  山塩館HPより

幻の山塩 ミニスライドショー

14静止画8-3-18.jpg

損得ではないんです

山塩館 平瀬 長安さん

塩づくりはわずかな量しか精製できないしなかなか大変ですが、先祖の思い描いた夢やロマンの延長線上にある山塩をつくれて、幸せですね。
不思議ですよね、信州の山の中に塩が出るというのは。でも、村にとってはひとつの恵みですし、大変ありがたい。私もやはり、こういったものを残して行きたいという気持ちはあるので、頑張りたいなと思っています。
精製していて美しい結晶に仕上がった時には、本当に美しいなと思います。大鹿村を訪れていただく方々に喜んでもらえれば嬉しいです。損得ではないんですよ、山塩づくりは。





周辺地図 「幻の山塩」 大鹿村鹿塩 山塩館周辺

鹿塩温泉

塩分濃度は、海水と同じ4パーセントであるが、含まれるミネラル分が異なることから、断層中央構造線)に閉じこめられた化石海水ではないとされている。
現在2件の旅館がある。日本秘湯を守る会に属する旅館(山塩館)がある。
山塩館では平成9年に規制緩和が実施され、製塩の認可を受けた4代目当主が、製塩をしていた場所、昔ながらの薪炊きにこだわった塩づくりを再開。 この塩は、にがり成分をほとんど含まないため、調理に使用すると素材の味や食感を損ねることがない。塩の里特産品直売所でも購入することができる。
塩の里特産品直売所内の美濃屋豆腐店では、大鹿村の特産品である大豆(平成中尾早生)を使用した大鹿とうふ、油あげ等を製造・販売している。遠方からわざわざ買い求めにくるほど人気がある。現在は通販の取扱も行っている。
建御名方神が鹿狩りをしている時に鹿が塩水を舐めているのを見て発見したとか、弘法大師がこの地を訪れた時に村人が塩に困窮していることを知り持っていた杖で地面を突いたところそこから塩水が湧出したとの伝説があり、相当古い時代からこの塩水が利用されてきたことがわかる。
南北朝時代南朝方の宗良親王後醍醐天皇の皇子)がこの地に入り、南朝方の拠点とできたのも、塩があったからだといわれている。
1875年、旧徳島藩士・黒部銑次郎が岩塩を求めて塩泉の採掘を始め、大掛かりな製塩場を設置し、食塩製造を行った。岩塩は結局発見することができず、塩水が湧出する理由は未だに謎である。



アクセス 松川ICか駒ヶ根ICまたは伊那IC

大鹿村へは、松川IC、または駒ヶ根IC、伊那IC下車でそれぞれルートがある。松川ICから車で約40分。大鹿村に入ったら鹿塩地区の「塩の里」を目指す。山塩館は、「塩の里」から数分。