黙っていても身体で感じる栃の声
郷土史家 赤羽篤さん(90)
栃は、椀や盆などを木からつくって都などへ売る木地師(きじし)たちにとってはとても大事な木でした。浦の沢の栃の近くには、木地師の墓も見られますので、そうした歴史を物語る大木でしょう。
木に抱きついてみたり、大空に広がる枝を見上げれば、理屈ではなく誰もがこの木から迫るものを感じることでしょう。栃は、ものは言わないけれど、あの一帯が山の民とともにあったことを教えてくれている木なのです。
周辺地図 「浦の沢の栃」 辰野町横川渓谷周辺