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「こんにちは伊那谷」は1回2分半の映像シリーズです。伊那谷各地の残したい風景、伝えたい言葉、小さなお祭りや職人さんなど、ふるさとのいまを伝えます。上伊那、下伊那を巡る「小さな旅」をお楽しみ下さい。

駒ヶ根市

農作業開始の目安を告げる雪形 

アルプスの見える風景 2011年7月28日放送

雪形には、駒、娘、爺、坊主など様々な名前がつけられ、伊那谷各地で農事暦として種を蒔く時期や、田植えの適期などが語り継がれてきました。
静止画 雪形2.jpg
千畳敷の左手に現れる「島田娘」。文金高島田の島田娘は雪解けとともに次第にはっきりと現れる。


静止画 雪形10.jpg

中央アルプスの雪形 データ

主な雪形:島田娘 種まき爺(千畳敷左) 五人坊主(南駒ヶ岳) 駒形(中岳) 
見頃:4月中下旬〜5月
場所:中央アルプス 駒ヶ根市 中川村・飯島町周辺 伊那市周辺
見所:残雪に現れる雪形と山岳、田園風景

伊那市高遠から見える駒(馬)の姿は、駒ヶ岳の語源と言われています。水を飲むダイナミックな姿は春の訪れを知らせる雪形です。駒ヶ根市赤穂で40枚ほどの水田に田植えをしている清水さんは、「雪形とともに農作業を続けることは、伊那谷の景観を守ること」と話します。

中央アルプスの雪形 ミニスライドショー

静止画 雪形7.jpg

農地と景観を守りたい

上穂地区で40枚もの水田をつくる清水千博さん 

中央アルプスは、この付近からの眺めが一番いいんですよ。絵を描く人や写真を撮る人が来ますね。しかし、高齢化や農業離れが進みこの付近では水田を作れない人ばかりになってしまいました。農地を守る、景観を守るという意味もあって、そうした人の分まで引き受けて稲作をつづけています。
駒ヶ根は、ふたつのアルプスが見える町ですから、雪形の見えるこの素晴らしい景色、景観を守っていきたいと思っています。


周辺地図 「中央アルプスの雪形」 駒ヶ根市周辺

中央アルプスの雪形あれこれ

中央アルプスの盟主駒ヶ岳の「駒」の由来は、そこに現れる雪形にあります。雪形は古来より、農家の種まき時期の目安として地元の人々に口伝されてきた農事暦であり、駒ヶ岳に見られる雪形を列挙すれば、北から将棊頭山の双馬、八の字、中岳の駒形、前岳の種まき爺、極楽平のサギダルと白鷺、島田娘、種まき爺、熊沢岳の白鷺、空木の鬼面(おにづら)、田切岳の権兵衛と駒、南駒ヶ岳の五人坊主、種まき爺、越百山(こすもやま)の牛天神があげられます。これらは、昭和初期から雪形を研究されてきた田淵行男氏が、昭和56年(1981)に日本で最初に発刊された雪形の写真集「山の紋章雪形」にも掲載されています。
また雪形については、民俗学者の向山雅重氏の「残雪絵考」や加藤淘綾氏の挿絵にもあり、田淵行男氏は、雪形には、農業の中で最も重要な稲作と結び付いた「種まきじいさん」の類が多く、その次に僧や虚無僧など信仰の世界を重視し、また、動物の類では農作業に欠かすことのできない「馬」が多くみられ、当時の農民の生活意識が反映されていて、更に人生観をも感じられると語られています。今では農業も機械化され、更にインターネットの普及により情報が豊かになり、また、気象予報も正確になって農事暦として雪形を活用することはなくなってしまいました。代わって雪形愛好家や写真家などが、趣味として自分の雪形を発信するようになり、歴史的ルーツを無視したものもみられます。(駒ヶ根市HPより)


アクセス 駒ヶ根IC

駒ヶ根IC下車、雪形が良く見えるのは、大型農道付近や天竜川河畔、東伊那、中沢方面など。